GO BEYOND な 人
八木愛莉(ヤギアイリ)
カヌースラローム選手
東京オリンピックでの金メダルを目指す。
拠点を海外におきチャレンジ。
東京オリンピックで正式種目となるカヌースラローム競技女子カナディアンシングル種目で金メダルを獲得するために、2015年から活動拠点をスロバキアとオーストラリアに移しました。言語や文化の違うスロバキアで、大会を転戦する中でトップ選手の動きを吸収し、練習を重ねて競技技術の向上に努めています。
正式種目となる東京オリンピックでの金メダル獲得が目標。
カヌーの競技歴は10年に及びますが、3年前に肩の怪我による手術を機に、2014年からカナディアンシングル種目に転向しました。早稲田大学スポーツ科学部で学びながら、カヌースラローム競技女子カナディアンシングル種目の日本代表として、ヨーロッパやオセアニアを拠点として競技生活を送っています。スラローム競技とは川の200mほどの区間に設けられた20個ほどのゲートをくぐり、タイムを競うものです。日本には、カヌースラローム競技専用のスタジアムやヨーロッパでは主流となっている人工のコースがないため、海外で競技生活を送っています。
2015年からは、日本で所属していたチームを離れ、夏はカヌーの強豪国スロバキア、冬はオーストラリアを拠点とする生活を始めました。スロバキアで、世界トップレベルの選手と共に練習・トレーニングを積み世界のトップを目指しています。
ヨーロッパではワールドカップを転戦し、世界選手権に出場するだけではなく、現地の小さな大会にも出場しています。試合経験を積むことで、ビデオやテレビ越しでは感じられない、世界トップ選手の生の動きを研究しながら、競技成績を上げられるように、練習に打ち込む日々です。
2020年の東京オリンピックに向けて、ワールドカップでファイナルに進出して、メダルを獲得することを目標としています。まだ、ファイナルには近づいていませんが、地道に一歩ずつ歩んで世界のトップを目指したいです。そして、東京オリンピックで正式種目となる女子カナディアンシングル種目で、初の五輪メダル獲得を目標としています。
海外でのチャレンジが日本でのカヌースラロームの
普及につながることを期待。
初めての海外での試合は、高校1年生のときの世界ジュニア選手権でした。世界で活躍する選手を間近で見て感動したことを今でも鮮明に記憶しています。日本代表として試合に出場することを目標として、ジュニアやU23の日本代表として、海外で試合経験を積んでいました。しかし、肩の脱臼を繰り返して手術を受けたことを機に、カナディアンシングルにリハビリの一環とし転向します。ワールドカップトップ選手の動画を見たり、練習を続けたりしていくうちに、カナディアンシングルに惹かれるようになりました。そして、1年後には、強豪国のスロバキアに渡ることを決意したのです。
海外での一人暮らしは、バスで30分のスーパーでの食材の買い出しや料理、説明書の読めない家電の使用など毎日がチャレンジです。最初は文字が読めないことから、バスの乗り方や買い物の仕方など何もわからず、生活するだけでも戸惑うことが多かったです。スロバキアのクラブチームのコーチやメンバー、現地の友人、両親などのサポートを受けて、2度目のスロバキア遠征を迎えることができました。
カヌースラローム競技を通して、言葉も文化も異なるたくさんの友人に出会い、自分の世界を開拓していきたいです。言語は、英語やスロバキア語以外にも、訪れた国の挨拶などいくつかの言葉を覚えることにもチャレンジしています。
こうして、言語や国境、文化の壁を越えて挑戦を続けていくことは、日本のカヌースラロームの普及や発展につながることを期待しています。
また、女性競技者として、社会的な立場や発言力の低い子どもや女性に勇気を届けられる存在になりたいです。海外での生活は毎日がチャレンジともいえますが、一歩超えてみることを怖がらずに、楽しみながら挑戦し続けていきたいと考えています。
GO-BEYONDER No.077
カヌースラローム選手
八木愛莉
1994年、神奈川県相模原市生まれ。Športový klub polície Bratislavaに所属。2014年に肩の手術を機に、カヌースラローム競技カナディアンシングル種目に転向した。2015年度、2016年度とJOCオリンピック強化指定選手に選出され、2015年度シニア日本代表Bチーム、2016年度シニア日本代表Aチームに選ばれている。
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