069
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GO BEYOND な 団体

高井洋季(タカイヒロキ)

特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA) 理事

多くの国・地域の多様な人たちとの繋がりを
作り「共に生きる社会」の実現を目指す。

私が所属する「特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA) 理事」は、2016年に24年目を迎えました。IVUSAは学生というニュートラルな立場を活かして国内外の多くの課題解決に取り組むとともに、学生に活動を通した学びの場を提供するNPO法人です。

現在では全国90大学3,400人の学生が所属しし、「国際協力」「環境保護」「災害救援」「地域活性化」の4分野を軸にさまざまな活動しています。そして、活動を通して多くの国や地域の多様な人たちとの繋がりを作ることで「共に生きる社会」の実現を目指しています。

2014年8月
カンボジアスタディーツアー
科目数の少ないカンボジアの小学校において、2008年から国際ボランティア学生協会で建設した5校の学校をめぐり、それぞれの学校で衛生教育や職業教育、音楽の授業、運動会などを実施
2014年9月
フィリピン台風災害支援活動
2013年にフィリピンを襲った超大型台風ヨランダの被害のあったレイテ島にて防災林の植樹、ルソン島内にて防災減災活動として、清掃活動と植樹、ワークショップを実施
2015年8月
カンボジア小学校建設活動
6校目となるミヤック小学校の建設活動を実施、学校を建てるだけではなく授業や交流イベントなども実施

たとえ微力であっても一人ではできないことを続けていく。

国際協力の分野では、ボランティアや文化交流を通して現地の方々と密な人間関係を築き、「世界中に親戚を」作ることを目標に活動しています。違う文化に入り込むことは一見簡単なようですが、炎天下でボランティア活動に励むことよりも難しく、若者にとってはとてもチャレンジングなことです。

私たちはまず現地の方と同じ目線に立ち、「現地のために何ができるか」「現地は何を求めているのか」を真剣に考えるよう心がけています。ボランティアを行うことだけが目的ではなく、言語や価値観の違いを超えて「同じ場所で同じ時間を共有しながら活動する」ことが大切なのです。

現在は、人・物・お金・情報のグローバル化が進み、生活の中で異なる国や民族、文化、価値観に触れる機会が増えています。また、貧困やテロ、紛争、格差、感染症、環境など社会が抱える問題もひとつの国や地域だけのものではなくなっています。それらの問題は国や地域を超え、協力して取り組まないと解決できないものになっているのです。

私たち一人ひとりは微力であっても無力ではないことを信じ、小さなコミュニティーの問題の根底に潜む大きな社会問題の解決にチャレンジしていきます。

仲間がいれば想像もできなかったことができる。

私がカナダの大学に在学していたときに、東日本大震災が起こりました。日本から遠く離れ、パソコンから流れてくる衝撃的な映像をただ眺めることしかできない状況です。しかし、現地の知り合い数名に「何かできることをしよう」と呼びかけ、翌日からすぐに動き出しました。

次第に母国を想う日本人以外にも、国籍・年齢を問わず何百人もの方々がその輪に加わり、現地のコーヒーチェーンなどさまざまな企業の応援も多数いただきました。そして、最終的には日本円にしておよそ三千万円もの支援金を被災地に届けることができたのです。

このように日本を応援してくれたカナダに、日本からの震災漂着物が流れ着いて雄大な自然を脅かしているというニュースを知ったのは震災から1年後のこと。また仲間と計画を立てて準備を重ね、その翌年には清掃活動を実施しました。

私たちが活動を行ったのは、太平洋に面した小さな町「ユークルエット(Ucluelet.BC)」です。アクセスが困難なうえに冬の時期の5か月間は北の海ならではの大荒れとなり、夏季は観光シーズンで離島まで出る船を借りられない状況。活動できる期間が非常に限られているため、年間を通しての継続的な支援は難しく、清掃活動は1年間に2回しか実施できませんでした。

そのなかで私は6年の海外生活を終えて日本に帰国し、職員として「国際ボランティア学生協会」へ戻ることに。そして、当時の日本への支援に対する感謝を伝え、日本にはカナダの現状を伝えるために、2014年3月11日に日本の大学生70名とカナダへ行くことを企画し実行しました。震災から3年で被災地の復興もまだまだという状況のなか、さまざまなお声をいただいたことも事実です。しかし、大学生たちが明るく活動する姿はカナダの方々に感動を与えました。また、ただ感謝を伝えるだけでなく、お互いに「ありがとう」を言い合える関係になったときに、ボランティアの無限の可能性を感じたのです。

もちろん、私自身が何かを成しえたわけではありません。これからもさまざまな海外活動を通して自分自身が成長し、少しでも今の自分を超えていくことが目標です。また、国内外の社会問題に関心を持ち、周りを巻き込むことができる感性豊かな若い力を育てていきたいと考えています。

GO-BEYONDER No.069

特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA) 理事

高井洋季

1981年10月12日、神奈川県横浜市生まれ。幼少のころから海外への高い関心を持つ。学生時代には5か国13回にわたって現地に赴き、国際ボランティア事業に携わる。(中国黄土高原での植林活動・韓国でのハンセン氏病患者支援や環境問題に取り組む国際交流環境事業・モンゴルでの遊牧民支援・インドで最貧困層への住宅建設活動・スマトラ沖の津波災害へ支援活動など。)
その後6年間の海外留学を経て、現在は「特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA) 」の理事・事業部長としてボランティア事業の企画・運営を行う。

 

Facebook:https://www.facebook.com/npoivusa/

Twitter:https://twitter.com/IVUSA_OFFICE

Blog:http://blog.canpan.info/ivusa/

HP:http://www.ivusa.com

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページトップへ