GO BEYOND な 人
渋谷慶一郎(シブヤケイイチロウ)
音楽家
ボーカロイド・オペラ『THE END』を機に
世界で活躍。
2002年に音楽レーベルATAKを設立し、2012年に発表した世界初のボーカロイド・オペラ『THE END』の公演をきっかけに、パリを中心に世界で活躍する音楽家です。現代美術家のアートとのコラボレーション、パリ・オペラ座のダンサーとのコラボレーションなど新たな挑戦も行っています。
『THE END』のパリ公演をきっかけに海外でも活動。
2002年に音楽レーベル「ATAK」を立ち上げ、2004年からは作品のリリースだけではなく、「ATAK NIGHT」としてイベントの主催も始めました。2006年には、インスタレ―ション作品の『filmachine』の展示のためにヨーロッパなどを訪れていました。その後、本格的に東京と海外を行き来しての活動となったのは、2013年のパリ・シャトレ座での『THE END』の公演がきっかけです。音楽の劇場のシャトレ座、美術館のパレ・ド・トーキョーとよい関係を築けたことで、活動の場所を広げようと考えました。現在は、パリと東京を中心に制作や発表を行い、約一カ月ごとに移動する生活です。
パリでの暮らしで見た景色が音楽にも影響。
パリで暮らす住まいの下見に行った頃は、まだ右も左もわからなかったのですが、近所を散歩していたら高い丘に突き当たりました。日頃は、景色はあまり見ないほうですが、そのときに見えた景色が、ものすごくよかったので、今から新しい生活と人生が始まることを実感しました。
丘の上の最上階にある住まいで、目が覚めて遠くの空の色が変わっていくのを見ていると、そのときのことを思い出すことがあります。それまでは近くのものしか見ていなかったけども、あれから時々視線を遠くにすることが増えて、音楽にも影響しています。コンピュータにかじりついているときではなく、ふと離れてみて視線を泳がせると、できてくるものが変わってくるのです。
GO-BEYONDER No.054
音楽家
渋谷慶一郎
音楽家。1973年生まれ。東京芸術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立し、国内外の先鋭的な電子音楽作品のリリースや、国内外でのコンサートやインスタレーションの発表を行う。2012年には、人間不在のボーカロイド・オペラ「THE END」を発表。2013年以降、東京、パリ、アムステルダムなどで公演が行われ、現在も世界中から上演要請を受けている。2016年5月にはパリ・オペラ座のダンサーとの公演を控えており、今後も東京とパリを拠点に精力的な活動を展開する。