GO BEYOND な 人
鹿沼由理恵(カヌマユリエ)
パラサイクリスト
自分の限界の壁を超えて、
リオパラリンピックへ出場しメダル獲得へ。
タンデムという2人乗りの自転車の競技で、2016年のリオパラリンピックへの出場し、メダルを獲得することを目標に活動するパラサイクリストです。2014年にアメリカで開かれた、パラサイクリング世界選手権ロード゙大会ロードタイムトライアルでは優勝することができました。競技活動を通じて、タンデム競技へチャレンジする人が増えることを願っています。
二人のコンビネーションは無限大の可能性が出せると信じ、
国際大会での表彰台を目指す。
視覚障害者クラスのタンデムという、2人乗り自転車の競技で、2016年のリオパラリンピックへの出場とメダル獲得を目標としています。そして、私達の活動でタンデム競技へ挑戦する方が増えて、2020年東京パラリンピックでの日本選手の表彰台独占に繋がることを期待しています。
自転車は、筋持久力のダイナミックさと、ペダリング技術の繊細さとが融合した競技です。タンデムでは2人のコンビネーションが加わり、国際大会では迫力あるレースとなります。タンデムは、2人が息を合わせて戦う競技ですので、1人では出せないパワーも2人なら出せること、1人では挫けそうになってしまうときも、2人なら乗り越えられることが魅力です。2人で無限大の可能性が出せると信じ、国際大会での表彰台を目指しています。
平日の練習は、筋持久力やペダリング技術向上を目的とした、ワットバイクやローラー練習、筋トレを中心としたメニューです。週末は、現在の練習拠点である静岡県の日本サイクルスポーツセンターで実走練習をしています。
国内では公道を走ることのできる都道府県が限られているため、練習環境に制限はありますが、強くなるために練習方法を工夫することで制限をバネにし、国際大会では果敢に挑んでいきます。
世界選手権で優勝し、限界の壁を超える。
2014年の世界選手権の1カ月前に行なわれたワールドカップでの悔しい経験がバネになり、この世界選手権で優勝することができました。ロードタイムトライアルで、トップと12秒差の2位となったところ、一部の海外選手からは「アジアの選手が2位なんて、まぐれ」と思われました。そこで、世界選手権に向けて「まぐれではないこと」を証明するために、今までよりも意欲的に練習に励みました。
世界選手権の開催地に着いてからレースの前日までは、不安で逃げ出したい気持ちで一杯でした。
しかし、コース下見やコース・イメージもしっかりと行えたおかげで、当日を迎えると気持ちも落ちついて、いつも通りにウォーミングアップができたのです。落ち着いてスタートに入り、前を走る選手を抜くたびに気持ちが高まっていきました。残り3kmになると、苦しくても「まだ走れる。今、ここで諦めたら、今までが無駄になってしまう」と考えて、ゴールまで全力で走り切りました。世界選手権での優勝は、自分に勝って限界の壁を超えられた経験となっています。
GO-BEYONDER No.048
パラサイクリスト
鹿沼由理恵
1981年、東京都町田市生まれ。楽天ソシオビジネス株式会社に所属。2010年にバンクーバー冬季パラリンピックでは、クロスカントリースキーで出場し入賞。ソチ・パラリンピックに向けて練習中に左肩を負傷し、スキー競技を断念し、パラサイクリングに転向。2014年には、ワールドカップロード大会のロードタイムトライアルで2位、世界選手権ロード゙大会のロードタイムトライアルで1位となる。