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GO BEYOND な

和田紘幸(ワダヒロユキ)

ジェットスキーライダー

海外で得られたことを
日本のジェットスキー環境に活かす

私は、熊本市出身のジェットスキーライダーです。海が近い環境にいたことと、乗り物が好きだったこともあり、17歳からジェットスキーを始めました。10代~20代はレジャー感覚で楽しんでいましたが、37歳となった今、いつしかジェットスキー歴は僕の人生の半分以上を占めることとなりました。

ジェットスキーはスポーツとしてはまだまだ認知度が低く、地元熊本ではスポーツというよりレジャーとして認識されているイメージがあります。元々僕もレジャー感覚で楽しんでいましたが、ひとつのスポーツのレーサーとして世界を相手に良い結果を残すことで、将来はこのジェットスキーがもっとメジャーで紳士的なものになるような普及活動につながればいいなと思っています。

実際にレースに出場するようになってから、大会のたびに応援してくれる仲間やサポートしてくれる仲間が増え、レジャー感覚で捉えられがちなジェットスキーのイメージも、ひとつの競技、スポーツとして認識されていると感じてきています。

初めて国内のレースに出場したのは2011年、広島で開催された4時間耐久レース。ジェットスキーの大会は、大阪や名古屋などで開催されることが多く、熊本で会社を経営している僕にとって、国内の大会であれ参加することは、中々ハードなことでした。

そんな中、熊本からも割と近い場所広島で、しかも「4時間耐久」という、日本一長いとも言われる耐久レースが開催されるということで、熊本のジェットスキー仲間とチームを組んで満を持して参戦しました。

レースは1週12kmのコースを4時間で何週回れるかを競うもので、チーム内でメンバー交代しながら4時間走り続ける。ジェットスキーのプロライダーも参戦する大会でありながら、熊本から参戦した僕たちのチームは2013年から3年連続優勝を果たしました。

2013年9月
広島県 4時間耐久レース 優勝
2014年9月
広島県 4時間耐久レース 優勝
2015年9月
広島県 4時間耐久レース 優勝
2016年12月
タイ キングスカップ出場 耐久レース部門6位入賞
2018年12月
タイ JET SKI World Cup出場 耐久レース部門3位入賞

マシンに「熊本から世界を元気に!」を掲げ、世界へ挑む

2016年、国内の大会を3連覇した勢いで、今度は世界で自分の力を試したいと思い、国外タイで開催される「キングスカップ」という世界大会に挑みます。この大会は (当時の) タイ国王主催で25年以上続いている世界的にも有名な大会でした。

この年は地元熊本を大地震が襲った年で、熊本が落ち込んでいた時期。熊本県南区にある自宅も、熊本大地震の影響で、大規模半壊という被災を受け解体しないといけないような状態でした。そんな地元に少しでも明るい話題を持ち帰りたい、という思いも込めて自分が乗るマシンには「熊本から世界を元気に!」の文字を掲げ挑戦しました。

マシン別に複数の出場クラスがある中、広島でも耐久レースを勝ち抜いてきた僕は「エンデュランス」と呼ばれる45分の耐久レースに参戦。そして、初めて世界で自分の力を試したレースで、6位に入賞しメダルを獲得しました。

この結果に、熊本で応援してくれていた仲間も喜んでくれ、地元に明るい話題を持ち帰ることができたことで、さらに上を目指したいと思うようになりました。

タイのキングスカップで入賞した際も、地元熊本の新聞に掲載させて頂いたり、くまもと経済という雑誌の別紙「espresso」にも僕の海外での活躍を取り上げて頂いたりしました。

更に、応援やサポートしてくれる仲間が増える度に、自分ひとりではできないスポーツだなと実感するとともに、そんな仲間のためにも結果を残したい、と思うようにもなりました。

また、私は27歳の時から2年間中国で勉強をしていた経験から、海外の文化や習慣に触れることで得られるアイデアや考え方を日本でも活かしたいと考えるようになっていましたので、仕事やプライベートでも海外の文化や習慣に触れることを積極的に行ってきました。

そして今、自分がずっと続けてきたスポーツで海外に出てチャレンジできることは、まさに海外の文化や習慣に触れることのできる絶好の機会でもあり、これまでの自分がどこまで世界に通用するかを知るきっかけになっています。

「日本代表」として国外の大会に出るようになった今、「熊本代表」で国内の大会に出ていた時よりも、一層自分の環境や考え方に向き合う機会が多くなりましたし、チームで協力して何かを成し遂げることのありがたみを、身を持って感じているところです。

このように海外でチャレンジすることで得られたことを、日本のジェットスキー環境、または自分の会社や地元に活かしていきたいと思っています。

力を出しきるためには「準備八割、行動二割」

ジェットスキーは海の上を走るスポーツです。戦うフィールドが県外、ましてや海外となると、いつも自分が乗っている海とは全く違います。波や風の状況が読めなかったり、気温や湿度もその国によって異なってくるので、予想外のことも起こったりします。いつもの練習環境での走りがそのまま通用するわけではないのです。しかも、乗るマシンの状況も結果に影響します。実際僕が2回目にキングスカップに出場した際、2日走らなければならないレースの1日目でマシンが故障し、途中断念したことがありました。走れる身体はあるのに、乗るマシンが動かないのです。大変悔しい思いをしました。

戦う場所の環境や戦う相手によって、自分の本来の能力を発揮できるかどうか、本当にその時になってみないと分かりません。ですが、その時に自分の精いっぱいの力を出し切れるようにどんな状況でも対応できるような下準備が必要不可欠です。

これはこのスポーツだけでなく、その他のスポーツや仕事にも当てはまると思いますが、こうやって海外で挑戦できるようになりより一層感じるようになりました。

ですので、ジェットスキーのレースにおいてはもちろん、仕事においても本番で自分の能力を出しきれるように、下準備の段階から「これくらいでいいか」ではなく本気で取り組んでいます。先人はよく言ったもので、「準備八割、行動二割」その通りだと日々実感させられます。

このように、たえず努力し挑戦していく姿勢で行動に移していくことが、自分自身の本来持つ力の限界を超え、結果を出すことだと思います。

GO-BEYONDER No.176

ジェットスキーライダー

和田紘幸

1982年1月22日、熊本生まれ。17歳からジェットスキーを始める。2011年に国内戦にデビューし、以後好成績を収める。2018年より海外への挑戦もスタートし、日本のジェットスキー環境のために活躍。また、人生の半分以上をジェットスキーに捧げている。

Facebook:https://www.facebook.com/wada.hiroyuki

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