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GO BEYOND な

勝田竜馬(カツタリョウマ)

アルティメット日本代表

自分の限界に挑む究極のスポーツ
宙を舞うディスクを追いかけ、
世界一をつかみ取る

アルティメットとは、フライングディスクを落とさずにパスをして運び、100m×37mのコート両端のエンドゾーン内でディスクをキャッチすれば得点となるスポーツで、他の球技にはないディスクの飛行特性を操る技術や走力、持久力を必要とすることから「究極 (Ultimate)」の名前が付けられました。ディスクの特性を利用した「華麗なパスワーク」、風によって浮いているディスクを飛びつきながら掴む「ダイビングキャッチ」、コートの端まで届く「ロングスロー」などのダイナミックなプレーが魅力です。

まだまだマイナースポーツではあるものの、2012年度以降、日本でも中学校の学習指導要領にゴール型の球技として採用されており、道具を操る能力や参加生徒全員の運動量確保、ルールとフェアプレー精神に従い自分たちで判断をして試合を進めるセルフジャッジなど数多くの観点から日本体育協会にも評価されています。また、2028年のロサンゼルスオリンピックに追加種目として選ばれる可能性の高いスポーツでもあります。

そんなアルティメットと私の出会いは大学に入学してすぐの事でした。当初は小学生の頃から打ち込んでいたバスケットボール部に入部をと考えていましたが、ふと「フライングディスク部」という名前が目につき、面白そうだなと興味を持ったことが人生の分岐点となりました。

フライングディスク部は、アルティメットというスポーツに取り組んでいる部活で、しかも私が入学する前年度に日本一になっている、いわばアルティメットの強豪校だったのです。その上私が入学した頃は、ちょうどU23の日本代表に選ばれている先輩たちが多く在席していたので、同じ部活内に日本代表選手が在籍しているということがとても刺激的で、先輩たちのように自分もいつか日本代表として活躍できたらいいなという夢を持ち、自然と入部を決意しました。

聞いたこともなかった新しいスポーツとの出会いと、フライングディスクを使った独特の軌道と浮遊感がとても面白く、必死にディスクを追いかけているのが楽しくて気づいた時にはアルティメットに夢中になっていました。

しかし、所属したチームが強豪チームであったこともありいざ入部してみると思ったよりもかなりハードな部活でした。平日は毎日大学のグラウンドで、土日は小岩周辺の河川敷グラウンドで朝から晩まで練習をしていました。また大会も年に10回ほど開催されていたので、東京だけでなく全国に遠征に出かけることも多かったです。

年に一度アメリカの大会にも参加する機会もあったため、大学生のうちから海外に目を向けてプレーすることができたのも成長につながっていたように思います。

大学の4年間はひたすらにフライングディスクを追いかける生活をしましたが、大学を卒業した今では、文化シヤッターの実業団チームに所属しながら日本代表としての活動をしています。仕事をしながら夜はトレーニングを、週末は実業団での練習をし、アルティメット大国アメリカに勝って世界一になるために日々努力しております。

2015年7月
WFDF2015世界U-23アルティメット選手権 3位
2015年8月
WFDF2015 アジア・オセアニアアルティメット選手権 優勝
2016年6月
WFDF2016世界アルティメット&ガッツ選手権大会 準優勝
2016年7月
文部科学大臣杯第41回全日本アルティメット選手権大会 優勝
2018年7月
文部科学大臣杯第43全日本アルティメット選手権大会 優勝

勝ちに拘り追いかけたディスク 世界の壁が立ちはだかる

アルティメットは1940年代にアメリカで生まれたスポーツなので、アメリカには唯一アルティメットのプロリーグがあり、メン部門・ウィメン部門・ミックス部門とすべての部門において圧倒的な強さを誇っています。続いてカナダ、ヨーロッパ諸国、オーストラリアなどの国が強豪とされています。

私は大学4年生の時に2015年にイギリスロンドンで開催されたU23の世界大会の日本代表に選出され、世界の強豪相手にプレーをするチャンスをつかみました。

日本もジュニアユース世代から育成を強化しておりますが、まだまだ普及が遅く、ほとんどが大学生から競技を始めるので、経験の差からU23でメダルを取ることが難しいのが実情です。そんな状況でもチーム一丸となって世界一を目標にさらなる練習に打ち込む日々を過ごし世界大会に臨みました。海外チームの選手達との体格差には毎回驚かされますが、運動量やパスワークなど、日本独特のプレーで何とか勝ち上がっていきました。しかし、やはり経験やパワーのあるカナダ相手には全く歯が立たず、大敗してしまいました。結果は3位とメダルはとれたものの、カナダ、アメリカとの高い壁を感じ、世界一というものがとても遠く難しい壁であることを痛感しました。

同年の冬に行われたアジアオセアニア大会のA代表に選出され、決勝戦でオーストラリアに辛勝し、優勝することができましたが、世界一になることが目標であったため「アジアオセアニアの一番」というタイトルに対してあまり喜びを感じませんでした。そしてこの時、やはりアメリカに勝ち世界一になることが自分の目標なのだと実感し、海外にチャレンジしていきたいと強く思いました。

日本は島国であるため、世界のレベルの変化や自身の立ち位置を確認しづらく、上記であげたように年に3~4回ほど海外遠征を実施しています。くしくも東京オリンピックには選考に漏れてしまいましたが、アメリカ発祥のスポーツということもあり、2028年のロサンゼルスオリンピックに追加種目として選ばれる可能性が高いので、選手と協会は2028年に向けて準備をしております。4年に一度世界大会やクラブ選手権があり、またロサンゼルスオリンピックで金メダルを取るため海外にチャレンジし続けます。

日本チームの強みを活かし挑んだ世界一を決める戦い

2016年に4年に1度のWFDF世界アルティメット選手権が開催され、今度はA代表の世界大会にチャレンジする機会に恵まれました。1年前に行われたU23世界大会のリベンジがやっとできると思い、仕事をしながら夜はトレーニング、週末は遠征とハードな半年間でしたが、練習やトレーニングに打ち込みました。また、開催地も昨年同様イギリスロンドンと、同会場だったため燃えるには十分な条件だったと思います。

A代表とあって年齢層は39歳から22歳と幅広く、私は最年少として出場していましたが、とても雰囲気もよく、歳の差など感じることもなく、監督、コーチ、マネージャー、トレーナーを含めチーム全体が一丸となり世界一になるための練習をし、大会に臨みました。実際大会が始まってから雰囲気、士気共に、試合を重ねるたびに良くなっていくことを感じ、昨年大敗したカナダ相手に接戦を制し勝つことができました。しかし、昨年のリベンジを果たしたにも関わらず、チームも私自身もカナダにリベンジしたことを忘れ、その先にある優勝を照準にしていたので不思議と喜ぶことはありませんでした。

そしていよいよ最後の大舞台「世界一を決める決勝戦」に最年少ながらオフェンスセットとして出場しました。目の前にはプロとして憧れていた、動画でたくさん見た選手たちが並んでいて、緊張しなかったといえば嘘になります。それでもアメリカに勝たなければ世界一はあり得ないと自分を奮い立たせ、必死に走り、声を出し、ディスクを追いかけました。しかしU23の時と同じくアメリカの高い壁を痛感する結果となり、世界一を掴むことはできませんでした。しかし、一歩ずつですが世界一に近づいているということを実感する経験になったもの事実です。

世界一になるまでこの目標を諦めるわけにはいきません。

私は日本の代表として、先に立ってアルティメットの楽しさを広めてくださった先輩たちの思いも背負っていかなければなりません。世界の高い壁を超えていくためにこれからも限界にチャレンジし、世界一を果たすまで挑戦し続けていきたいと思います。

GO-BEYONDER No.171

アルティメット日本代表

勝田竜馬

1993年5月3日生まれ。東京都出身。大学時代にフライングディスク部に入部「アルティメット」に出会う。部内にU23アルティメット日本代表選手が多く在籍していた強豪チームのメンバーとして活躍し、2015年には自身もU23日本代表としてイギリスで行われた世界大会に出場。アメリカやヨーロッパ の強豪チームを相手に3位となる。卒業後は実業団チームに所属し、A代表に選出され世界の各地で転戦を続けている。

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